青年団に入った時に「大丈夫？」と周りの友人にずいぶん心配された。

その理由が「人間役しかないよ？」とか「アドリブ禁止らしいよ？」というものだった。
「・・あ。」と思ったが、どうにか本公演の舞台に立つことができた。

ただ、その作品で壮大な出トチリをした。
しかもしばらくは自分が間違えたことに気付いていなかった。
「30年劇団をやってきたけどそんな人はいません。」と演出家に言われた。
本番でなく通し稽古だったのがせめてもの救い。
2022年現在、まだクビにはなっていない。

撮影当日に台本を渡されるという某有名監督の現場を経験したせいなのかは分からないが、設定のみでフリーでという撮影の割合が多いような気がするのは気のせいかだろうか。
映画の現場はとても好き。

舞台を観に来た某ディレクターから「ナレーションとかやってみない？」と声をかけていただき、 ラジオCMのお仕事をやり始めたのがきっかけ。

その後、TVCMでは「花王メリーズ」のうさぎのキャラクターの声を2011年より10年近く担当。
また、広島「SUNMALL」のCMでも2010年からチビスタンの声を担当している。

一人で入るナレーションの現場では「迅速かつ丁寧」を心がけている。
某スタジオのミキサーさんからはカラフルボイスとあだ名を頂いているが、 普段はガラガラのカスカス声なので、スタジオに入った瞬間は 「違う人を呼んでしまったのでは」とクライアントさんに心配されることがよくある。

声優らしい声ではないのだが、動物やキャラクター案件ではキャスティングの方々の頭の中では必ず名前が浮かぶようで、年々人間のオーダーよりケモノの割合が増えてきている。
ありがたいことではあるのだが嬉しいような、さびしいような。

初オーディション時、マイクの前に立つよう促されたが何処に立てば良いか分からず、 こちらを見ているブースの方々に尻を向けては失礼かと思い、 マイクとモニター画面の隙間に無理矢理立ち、皆を凍りつかせたものの、なぜかそのオーディションに受かり、レギュラーをやることになったのがきっかけ。

しかし受かったものの全く上手くできず失敗の連続。 収録中にはペーパーノイズが入るから台本はマイクの下の方でめくるよう指示されるが、緊張のあまりめくる力加減がおかしくなり、 台本を空中に飛ばしたことがある。
こんな素人が大御所先輩たちに叱られ、笑われて、なんとかここまで。